今回は年末調整で配られる扶養控除等(異動)申告書の16歳未満の扶養親族の書き方についてです。
毎年書いている人であれば難なく書けるのかもしれませんが、初めて書く場合や去年と状況が変わった場合では分からないことも出てくるのではないでしょうか?
特に、僕がよく聞かれるのは
こんな疑問が多いですね。
そこで今回は
・子供が4人以上いて書ききれない場合
・16歳未満の扶養親族の書き方と記入例
以上3つについてお伝えしていきたいと思います。
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16歳未満の扶養親族の所得の見積額とは?
色々聞いてみると所得と見積額。
両方とも意味がわからない。
って人が多かったので分けてお伝えしたいと思います。
まずは所得についてです。
16歳未満の扶養親族の所得見積額は0円で良い?
なんてよく言われます。
確かに、働いていなければ0円と記入するケースがほとんどだと思います。
しかし、中学校を卒業して就職する人もいるでしょうし、高校生になってすぐにアルバイトを始める人。
それに、今では働き方が多様化していることもあり、16歳未満の子供でも自力で収入を得ている人もいるかと思います。
また、懸賞などでもらった賞金、落とし物を届けた際にお礼としてもらったお金なども所得となる場合があります。
そうなってくると、16歳未満でも所得が発生する場合というのは十分ありえますよね。
なので必ずしも0円になるとは限らないわけです。
ではこういった収入があったらその収入の合計を記入すればいいのか?
といったらそうではなくて、記入するのは所得です。
収入と所得は違う
実はこの違いを知らない人は結構います。
税金を計算するときに使うのは所得で、受け取った収入を所得に変換するイメージです。
所得には◯◯所得。といったようにお金の受け取り方によって10種類に分けられます。
基本的には収入から必要経費を引いた金額が所得になりますが、所得の種類によって計算方法が違います。
なのでまずは、16歳未満の扶養親族にどういった収入があるのか?
その収入はどの所得に該当し、その所得の合計はいくらになるのか?
という結構面倒くさい計算しなくてはいけないわけです。
ですが実際には16歳未満の子供にそんなに色々な所得があるというのは考えにくいですよね。
あるとすればアルバイトなどをしてもらったお給料だと思います。
16歳未満の子供にお給料があったら?
会社からお給料をもらっている場合の所得は給与所得となり、計算式は
給与収入-給与所得控除額=給与所得
となります。
給与所得控除額は給与収入によって金額が変わりますが、最低でも55万円引くことができます。
なので、年間の収入がお給料だけで、55万円以下であれば所得の見積額の欄は0円となりますね。
また、扶養親族の条件として、年間の所得が48万円以下というものがあります。
これを給与の年収にすると103万円です。
103万円-55万円=48万円
103万円を超える給与収入があると年間の所得が48万円を超えることになり、16歳未満でもそもそも扶養親族ではなくなってしまうわけです。
あまり無いケースだとは思いますけどね。
それに16歳未満の扶養親族というのは所得税には関係なく、扶養から外れたとしても影響があるのは限られた人です。
16歳未満の扶養親族についての意味を解説した記事もあるのでよかったら確認してみて下さい。
見積額とは1年間の所得の予想金額
それでは続いて見積額についてです。
年末調整のときに配られる扶養控除申告書は翌年分の用紙だと思います。
なかには今年分と2枚配る会社もありますが。
どちらにせよ、年末調整の用紙は11月くらいに配られることが多いのでまだ確定した金額はわかりません。
今年分に関しては12月分のお給料はわからないし、来年分に至ってはまだ始まってもいないし、1年間の収入がいくらあるかなんて11月の時点では正確にはわかりません。
なので、難しく考えず、大体の予想した金額で大丈夫です。
もし記入した金額と実際の金額が大きくかけ離れていても来年の年末調整のときに修正できます。
たとえば、今年の年末調整のときに提出するのは来年分の扶養控除申告書ですよね。
このときに、
来年末の時点で16歳未満の子供がいる。
そして、来年1年間はおそらく収入はないだろう。
と思ったら16歳未満の扶養親族を記入して、所得見積額も0円と記入しますよね。
ところが、翌年子供が働き始めてその年の所得が48万円を超えてしまったとします。
こういった場合、去年提出した扶養控除申告書(予想して書いた申告書)を一度返却してもらい書き直して提出します。
扶養控除申告書はお給料から所得税を天引きする関係上、来年分を提出するルールとなっていますが、所得税のルールは1月1日から12月31日までの所得をその年の年末調整で清算する。
もしくは翌年の3月の確定申告で清算する。
わけなので、最終的に重要なのは今年分の書類です。
16歳未満の扶養親族が4人以上で書ききれない場合
4人目以降を記入する場合、空いているスペースに自分で記入欄を作って書いてもいいのですが、ぎゅうぎゅうに文字が書かれている申告書に記入欄を作るのはおそらく至難の業だと思います。
なので、会社からもう1枚同じ申告書をもらってそこだけ記入するか、自分で別紙に記入するか。
どちらでも大丈夫です。
申告書の記入欄のところに「16歳未満の扶養親族は別紙があります」とでも書いておくと親切ですかね。
この申告書は税務署に提出するわけでもなく、機械などで読み取るわけでもなく、基本的には会社で保管する書類です。
なので年末調整をする会社の人が「16歳未満の扶養親族は◯人なんだ」ということがわかれば問題ありません。
注意点として、4人目を書くところがないから、3人は自分の申告書に書いて、4人目は配偶者のほうに書く。みたいな書き方は避けて下さい。
これでは意味合いが違ってきてしまいます。
16歳未満の扶養親族の意味を把握して、敢えて振り分けているのであれば問題ありませんが、書ききれないから配偶者の方に記入するのは間違いです。
年末調整の16歳未満の扶養親族の書き方、記入例
それでは最後に書き方、記入例です。
書き方自体はすごく簡単なので、左側からサクッと解説していきますね。
まずは子供が16歳未満なのか?の確認ですね。
翌年分の申告書を書く場合には、翌年の12月31日時点において16歳未満でなければいけません。
申告書には「〇〇以降生まれ」と親切に書かれているのでこれに従えば問題無いかと思います。
続いて氏名です。
記入欄が妙に狭いですがフルネームで氏名とフリガナを記入しましょう。
個人番号はいわゆるマイナンバーです。
こちらは原則記入となりますが、会社が一定の帳簿を備えている場合では省略することができます。
会社によって違いがありますので、詳しくは会社に聞いてみましょう。
・あなたとの続柄
・生年月日
・住所又は居所
は、上記の表を参考に書いていただければと思います。
所得の見積額は収入を所得にした金額で、予想した金額でしたよね。
最後の異動月日及び事由は変更があった場合に記入する箇所なので現段階での記入は必要ありません。
所得の見積額が大きく変わった、子供が生まれた、子供が扶養親族から外れた
など、提出したときの予想と現況が異なる場合に記入する欄です。
「16歳未満の扶養親族の書き方」まとめ
・16歳未満の扶養親族の所得の見積額の多くは0円と記入することが多いが、収入がある場合はその収入から所得を計算して記入。給与収入の場合55万円以下であれば所得の見積額は0円
・103万円を超えてしまうと扶養親族から外れる
・16歳未満の扶養親族が4人以上いて書ききれない場合は別紙に記入して提出。
会社が解っていれば良い
16歳未満の扶養親族は所得税には関係ありませんが、住民税の金額に大きく影響がある場合があります。
どういった影響があるのかまとめた記事も用意したので良かったら確認してみてください。
見積額ってどういうこと?