母子家庭の年末調整で還付金はいくら?対象になる所得控除と計算方法

母子家庭になると年末調整の還付金は変わってくるの?



気になりますよね。


結論からいうと、母子家庭になると還付金は増える場合が多いです。
所得控除の中の1つに母子家庭の人が使うことができる寡婦控除といった控除があるからなんです。



「じゃあ還付金の金額を早く教えてくれ」って声が聞こえてきそうですがそこは税金・・・
「あなたの還付金は○○です」
と、簡単にだすことが難しんです。



僕もできることなら
「あなたは○○円!」
「あなたは○○円!」
って伝えたいのですが母子家庭といっても人によって収入は違うし環境も違うので数字が変わってくるのです。




そこで今回は年末調整で還付金がでる仕組みから母子家庭になった人が使える所得控除の種類、計算の流れをお伝えしたいと思います。

スポンサーリンク

母子家庭の年末調整で還付金がでる仕組み

会社勤めの方は所得税が毎月お給料から天引きされていますよね。

この金額は確定している金額ではなくて、大体の金額を前払いしているイメージです。


扶養親族の有無で違いはありますが、基本的には社会保険料等を引いた金額の給与が88,000円を超えた月は引かれます。




所得税は年間の所得によって決まるのですが、1年分の所得税をまとめて払うとなると負担も大きいですし、最悪払えないことも出てくるかもしれません。


なのであらかじめ払うであろう金額を毎月払っておこうというわけです。



ですが毎月払っている所得税の合計と年末に確定する所得税には誤差が生じます。
なぜ所得税に誤差がでるのかと言うと、あなたの家庭の事情や生命保険料をいくら払ったのか?などをあなたの会社は知らないわけです。

それらを年末になったら会社に教えてあげる必要があります。


これがいわゆる年末調整ですね。



会社に教えなければならないことが次に紹介する所得控除といわれるものです。


この所得控除をたくさん使うことができれば払う所得税は少なくなりますので漏れのないように申告しましょう。

注意
毎月引かれていた所得税の合計と年末に確定する所得税の差額が還付されるわけなので、そもそもお給料から所得税が引かれていない人は還付金はありません。

ちなみに住民税は後払いだと思って下さい。
年末調整で確定した所得をもとに翌年から払います。
もう確定した金額を払っているので基本的には住民税の還付はありません。

母子家庭の年末調整で対象になる所得控除

基礎控除
誰でも条件なく使うことができ、38万円の控除です。

こちらは年末調整の際、自分で記入する必要はありません。

扶養控除
あなたと生計を一にする16歳以上の親族で所得38万円以下の人がいると適用できます。

・16歳以上であれば38万円控除
・19歳以上23歳未満であれば特定扶養親族として63万円控除
・70歳以上であれば老人扶養親族として58万円控除(同居の場合)同居でない場合は48万円控除

 

高校生や大学生のお子さんがいる場合は適用になると思います。
お子さんがアルバイトなどで年収103万円を超えてしまうと対象外になってしまうので注意です。

 

今お給料から引かれている所得税は昨年提出した扶養控除申告書をもとに計算されています。
もし年の途中で扶養する人が増えたのであれば、その人の分の扶養控除は源泉徴収されている金額に考慮されていませんので年末調整で配られる今年の分の扶養控除等申告書に記入する必要があります。

 

たとえば、親に仕送りを始めた、働いていない親といっしょに住み始めた、子供が16歳以上になった、場合などは扶養親族が増えたことになりますので所得税を多く払っていることになります。

障害者控除
あなた自身が障害者である場合や扶養親族が障害者である場合に適用できます。

 

原則27万円の控除ですが、特別障害者は40万円の控除、同居特別障害者は75万円の控除で、障害等級により異なります。

社会保険料控除
あなたのお給料から天引きされている社会保険料以外で、一年間に払った社会保険料がある場合に記入する必要があり、全額が控除になります。

 

たとえば、今はお給料から社会保険料が天引きされているが、入社したのが年の途中で、入社前に自分で国民年金保険料や健康保険料などを払った場合は記入しなければなりません。

 

ご自身の分だけではなく、子供の分など生計を一にする親族に係る保険料も対象になります。

これは忘れがちなので注意してください。

 

たとえば、子供が20歳の大学生だった場合にその子供の年金保険料を親が支払ったときなどです。

支払った分、全額が控除となりますので漏れの無いように気を付けましょう。

寡婦控除
母子家庭になった多くの人は対象になるのではないかと思います。

夫と離婚または死別をしてしまったあと、再婚していない場合に適用できる控除です。
要件に扶養親族がいる、または生計を一にする子がいる必要があります。

 

一般の寡婦であれば27万円
特定の寡婦は35万円の控除です。

 

この寡婦控除は忘れている人が多いと言われていますが年末調整で忘れてしまっても遡って申請することもできます。

忘れてしまった場合と寡婦控除について詳しく書いた記事を用意しましたので、よかったらご確認ください。

寡婦控除の申請を忘れていませんか?47,500円返ってくる?

2019年2月20日
生命保険料控除
民間の生命保険会社に払っている保険料が対象になります。

 

もし家族が生命保険に加入していて、その保険料を支払っているのが、あなたであればその保険料も控除の対象になるので忘れずに記入しましょう。

地震保険料控除
居住用家屋や生活用動産を保険の目的とする保険料を支払った場合に適用することができます。

 

控除額は全額ですが、最高で5万円となっています。

小規模企業共済等掛金控除
会社勤めの方であれば主に確定拠出年金の掛け金だと思います。

 

支払った金額の全額が控除になり、保険料控除申告書に記入します。

 

企業型で掛金が給与から天引きされている場合は記入不要です。

住宅借入金等特別控
住宅ローン控除ですね。

 

初年度は確定申告をする必要がありますが2年目以降は年末調整で控除することができます。

このほかにも所得控除はありますが、今回は「母子家庭の年末調整」で記入しなければならない所得控除をまとめました。

 

他にも雑損控除、医療費控除、寄付金控除といった控除もありますが、この3つは年末調整では控除することはできません。
確定申告する必要があります。

年末調整の還付金の計算方法

それではいよいよ計算に入っていきたいと思います。



還付金=天引きされていた所得税-実際に払う所得税

これが基本です。



まず、給与明細の「所得税」のところに記載されている金額をすべて足します。
この合計が一年間で源泉徴収(前払い)されていた金額です。


次にお給料や賞与の合計を出します。(通勤手当は月15万円までは非課税なので含めません)

この給与収入の合計から給与所得控除額を引きます。

(平成31年分給与所得控除額)

給与等の収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%(最低65万円)
180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円(上限)

上記の表で計算した金額を給与収入の合計から引きます。
この金額が給与所得になります。


そしてこの給与所得から社会保険料とあなたの適用できる所得控除を引きます。
この金額に所得税率を掛けることで支払う所得税が算出されます。

課税所得金額・・・(A) 税率
195万円以下 (A)×5%
195万円超330万円以下 (A)×10%-97,500円
330万円超695万円以下 (A)×20%-427,500円
695万円超900万円以下 (A)×23%-636,000円
900万円超1,800万円以下 (A)×33%-1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 (A)×40%-2,796,000円
4,000万円超 (A)×45%-4,796,000円

さらに平成35年度まで復興特別所得税が2.1%加算されます。


ここまでの計算でようやく確定した所得税額がでました。


あとは、前払いしていた所得税から確定した所得税を引けば還付される所得税がわかります。




それでは1つ例をあげてみたいと思います。

計算例

・正社員として勤務している女性
・毎月の給与200,000円
・そこから社会保険料27,500円と所得税3,770円が引かれている
・今年離婚して、小学生の子供と生活している
・生命保険をかけていて控除額が50,000円

まず引かれていた所得税を合計します。
3,770円×12=45,240円



次に年間の給与収入を計算します。
200,000円×12=2,400,000円

この金額から給与所得控除額を引きます。
2,400,000円-900,000=1,500,000円
これが給与所得です。



ここから対象になる所得控除を引きます。

・基礎控除 380,000円
・社会保険料 330,000円(27,500円×12)
・生命保険料控除 50,000円
・特定の寡婦控除 350,000円
これらをすべて足すと1,110,000円



この金額を給与所得から引きます。
1,500,000円-1,110,000円=390,000円



この金額に所得税率を掛けます。
390,000円×5%=19,500円



復興特別所得税を加算します。
19,500円×102.1%=19,900円
この金額が今年に払うべき所得税です。



引かれていた所得税は45,240円なので
45,240円-19,900円=25,340円
還付されることになります。

まとめ

手で計算するとなると結構大変ですね。



年末調整の計算は会社がやってくれるのでここまで自分で計算する必要はないと思いますが、所得控除を申告するのは自分です。

あなたが使える所得控除は何があるのかはしっかり把握しておきたいところです。


もし申告を忘れてしまっても過去5年間は取り戻すことができるので気がついたら早めに税務署へ行くことをおすすめします。




年末調整で還付金がいくら出るのは人によってさまざまですが 、母子家庭の方は寡婦控除が使えることが多いので還付金が多くなることがあると思います。


しかし子どもが就職したり扶養親族がいなくなったりした年の還付金は少なくなり、場合によっては追徴しなければならないこともあります。

離婚をしたからといって一生優遇されるわけではないので注意してください。



還付金と聞くとボーナスのような感覚になってしまいがちですが、本来払わなくてよいお金が戻ってきただけですので有効に使っていただければと思います。

 

 

 

最後までありがとうございました。

ブログランキングに参加していますのでよかったら応援お願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です