老後の生活資金といえば今まで貯めた貯金や保険、資産運用してきた金融商品など、いろいろあると思いますが、やっぱり「公的年金」を頼りにしていますよね。
会社員として働いてきた人の場合では国民年金と厚生年金からもらうことができ、受給額は平均20万円といわれています。
このくらいもらっていれば老後の心配はそれほどないのかもしれません。
しかし、自営業者などで厚生年金に加入していない場合、国民年金のみとなります。
現在、国民年金を満額もらえたとしても約78万円。
月額にすると6万5千円で、これだけで生活するには少し厳しいものがあります。
さらに2019年10月からの消費税増税で8%から10%になれば「年金が2%減る」とも取れますよね。
そこで政府は増税対策としていろいろ政策を打ち出していて、その中の1つに年金生活者支援給付金といったものがあります。
消費税10%に伴い低年金者は年金が増えるかもしれません。
そこで今回は、
年金生活者支援給付金はいつからいつまでもらえるのか?
誰がもらえるのか?
いくらもらえるのか?
などを詳しく見ていきたいと思います。
2019年4月現在の情報です。
今後、変更される可能性もあるので最新の情報をご確認ください。
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消費税10%で年金が増える年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金とは「低年金者への加算」といったかたちで年金に上乗せされる給付金です。
なので、年金の支給額や年金のほかの収入が一定額以上ある場合などはもらうことができません。
また、老齢基礎年金の受給者だけではなく障害基礎年金、遺族基礎年金をもらっている人も条件を満たせば支給されます。
以前からこの給付金の案はあったのですが、消費税が10%になったときと引き換えに支給されるものでした。
よいか悪いかは置いておいて、今回ようやく支給開始になりそうですね。
それでは、まずはいつからいつまでもらえるのか見ていきましょう。
年金生活者支援給付金はいつからいつまでもらえる?
さきほどもお伝えしましたが消費税が10%になったときから始まります。
つまり2019年10月からです。
ただ、年金って2ヶ月に1回、偶数月に支給されますよね。
年金生活者支援給付金は年金に上乗せして支給されるということなので、初回の支払いは2019年12月に10月分と11月分が支給されます。
そしてこの給付金は恒久的に支給されます。
条件を満たしている限り一生もらえるということですね。
年金生活者支援給付金の対象者と支給の要件
・障害基礎年金の受給権者
・遺族基礎年金の受給権者
大きくわけてこの3つのどれかに当てはまる人が対象になります。
それぞれに条件がありますのでもう少し詳しく見ていこうと思います。
⽼齢年⾦⽣活者⽀援給付⾦
以下の3つすべての条件を満たしている場合に支給されます。
「65歳以上の⽼齢基礎年⾦の受給者」とあるので、基礎年金を繰り上げて受給していたとしても給付金の支給は65歳からになります。
逆に繰り下げ受給の場合では、65歳になっているけど基礎年金を受給していないので繰り下げている期間は支給されません。
そこで前年の年⾦収⼊額と所得額の合計が基礎年金の満額を超え、約88万円以下の人には補⾜的⽼齢年⾦⽣活者⽀援給付⾦が⽀給されます。
計算は少し複雑なのでイメージ図を載せておきますね。
出典:厚生労働省HP
「その他の所得」については次の「パートやアルバイトをしていてももらえる?」のところで詳しく解説したいと思います。
障害基礎年金⽣活者⽀援給付⾦、遺族基礎年金⽣活者⽀援給付⾦
この2つの給付金の要件は同じになります。
以下の2つの条件を満たしている必要があります。
①障害基礎年金、遺族基礎年金が支給されている。
②前年の所得額が「4,621,000円+扶養親族の数×38万円」以下である。
「扶養親族の数×38万円」のところは所得控除の金額と同じですね。
通常の扶養親族は38万円ですが、70歳以上の配偶者を扶養している場合は48万円、16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円になります。
以下のいずれかに該当する人は支給されません。
・日本国内に住所がない
・年⾦が全額⽀給停⽌
・刑事施設等に拘禁されている
・生活保護の受給者
年金生活者支援給付金はパートやアルバイトをしていてももらえる?
もらえる場合もあります。
支給の要件の1つに
「前年の公的年⾦等の収⼊⾦額とその他の所得の合計額が⽼齢基礎年⾦満額(約78万円)以下であること」とあります。
要は、年間約78万円を超える収入がある場合はもらえないということになるのですが、その他の「所得」ってところに注意です。
所得には10種類あって、それぞれに計算方法があるのですが今回はパートやアルバイトということなので給与所得を見ていきます。
給与所得を計算するには収入から給与所得控除額を引いて計算します。
この給与所得控除額は収入によって違いがあるのですが、最低でも65万円を引くことができます。
ということは年間の給与が65万円であれば「その他の所得」は0円になります。
基礎年金を満額もらっていても給与が65万円以下なら給付金は支給されることになります。
逆に年金が少なければある程度給与の収入があっても良いということになります。
しかし単純に年金が少ないからといってたくさん働いても大丈夫ってわけでもないのです。
給与の収入が多いと今度は住民税非課税の要件に引っかかってきてしまいます。
ここは難しい所ですね。
・公的年金の場合は収入
・その他の収入の場合は所得
で、計算するところに注意ですね。
いくらもらえる?
⽼齢年⾦⽣活者⽀援給付⾦は月額5,000円を基準にして計算します。
① 保険料納付済期間に基づく額(⽉額)
= 5,000 円 × 保険料納付済期間※2 / 480 月
② 保険料免除期間に基づく額(⽉額)
= 10,834 円※3 × 保険料免除期間※2 / 480 月
※2 給付⾦額の算出のもととなる保険料納付済期間等は、お⼿持ちの年⾦証書や⽀給額変更通知書等でご確認できます。
※3 保険料全額免除、3/4 免除、1/2 免除期間については 10,834 円(⽼齢基礎年⾦満額(⽉額)の 1/6)、保険料 1/4 免除期
間については 5,417 円(⽼齢基礎年⾦満額(⽉額)の 1/12)となります。出典:日本年金機構HP
この①②の合計が支給されます。
年金保険料を40年間もれなく納めた人は月額5,000円ですね。
・全額免除期間が60月
・未納期間が60月
(納付済期間)5,000円×360月÷480月=3,750円
(全額免除期間)10,834円×60月÷480月=1,354円
3,750円+1,354円=5,104円
障害年⾦⽣活者⽀援給付⾦は障害等級により違いがあります。
2級の人は月額5,000円
1級の人は月額6,250円
遺族年⾦⽣活者⽀援給付⾦も月額5,000円となります。
手続きは必要?
要件を満たす人は手続きが必要です。
どの年金でもそうですが、自ら申請しないともらえないんですよね。
とはいっても2019年4月1日時点で支給要件を満たしている人には2019年9月頃に請求書が送付される予定です。
その請求書に必要事項を記入して送り返せば後日、支給決定通知書等が送付されます。
2019年4月2日以降に受給を始める人は老齢基礎年金の手続きをする案内に給付金の請求書も同封されますので忘れずに提出しましょう。
まとめ
障害年⾦⽣活者⽀援給付⾦
遺族年⾦⽣活者⽀援給付⾦
の3種類があり、これらの年金に上乗せするかたちで支給される
・消費税増税の2019年10月から支給開始で最初の支払いは12月
・条件を満たす限り一生もらえる
・保険料の納付期間や免除期間で違いはあるが基準額は月額5,000円(年額60,000円)
消費税10%のインパクトに比べると条件や金額が大したことないように感じてしまいますね。
しかし一生受け取ることのできる給付金なので忘れずに請求しましょう。
ほかにも増税に伴い様々な政策が検討されているので該当するものには積極的に恩恵を受けたいものです。
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