税金と聞くと
「なるべく払いたくない」「節税したい」
そんなイメージですよね。
しかし税金がなければ学校や道路の建設が出来なくなってしまうし、病気やケガの時、いわゆる公的サービスを受けるために必要なのも事実。
日本ではこういったサービスのために色々なかたちで税金を徴収していますが、世界に目を向けてみると日本では考えられないような徴収の仕方、もしくは徴収しようとした国があるんです。
そこで今回は「そこからも税金取る??」っと言ったような世界のおもしろい不思議な税金を紹介します。
特に独身税、空気税はかなりひどいですよ。
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独身税
ブルガリアで1968年~1989年に導入されていた税金です。
その名の通り20歳以上の独身の人には収入の5%から10%を税金を課すというものです。
当時のブルガリアでは少子化による労働力不足が深刻な問題となっていたんです。
そこで独身者に税金を課せば結婚して子供を産み、少子化が解決されるだろう。という安易な考えから生まれた税金です。
しかし導入したはいいものの実際には効果はほとんどなかったんです。
むしろ出生率は下がってしまいました。
結婚しないのは収入が少ないとか貯金が少ないとか金銭的に余裕がない。
といった理由の人もいるわけで、貯金が貯まったら結婚しようと思っている人もいますよね。
それなのに独身でいることで税金がかかり、思ったより貯金ができないので結婚もできない。
という悪循環をもたらす結果となってしまいました。
故に独身税は21年間で廃止されています。
そもそも人の身分に対して税金をかけるとかどうなのかなぁって思いますけどね。
例えば、結婚税、離婚税、一人っ子税
こういった税金の導入の仕方は無しですよね。
日本でも少子化が問題になっていますが、ブルガリアの前例もあるので導入の可能性は低いのかなぁと思います。
空気税
フランスのルイ15世時代の財務大臣エティンヌ・ド・シルエットが提案しました。
空気を吸ったら税金を課すという斬新な発想です。
しかし当然のことながら国民の猛反対により実施はされませんでした。
このような税金を導入しようとした背景として、当時のフランスは戦争に負けまくっていたこともあり、お金が全然ありません。
そこで僧侶や貴族に税金を課せようとしたが失敗。
次に国民全員から確実に徴収できるということで、空気を吸ったら税金をかける「空気税」を思いつきましたが、これももちろん失敗。
こんな強引な税金をかけようとしたせいかシルエットは僅か8ヶ月で大臣を辞めてしまっているんですね。
日本で言うと麻生さんが8ヶ月で辞める感じですかね。
財務大臣というと優秀なイメージがありますけどシルエットは無能大臣と言われていたそうです。
さすがにこんな税金は今後導入されることはないでしょうし、日本でももちろん導入されることはないと思います。
ちなみにこのシルエットさん。
切り絵が好きだったらしいですが、お金が無く倹約家だったこともあり、モノクロで肖像画を描いていたそうです。
そこから影絵のことをシルエットと呼ぶようになったそうです。
窓税
イギリスで課税されていた税金で、1696年から1851年まで導入されていました。
これは住宅の窓の数により、課税される金額が変わってくるというものでした。
対象となるのは、窓が10枚以上ある住宅で、窓の数が増えるたびに1枚当たりの税率が高くなっていきます。
当時のガラスはとても高価なもので、一部のお金持ちでなければ窓にガラスを使うことは出来ませんでした。
そして大きな家であればあるほどたくさんの窓を使います。
ですが、いくらお金持ちだからといっても窓がたくさんあることで税金を多く払わなくてはいけないのは気分の良いものではありません。
そこで考えたのが窓を塞ぎ節税しよう。という発想。
これで節税できるとわかったので、みんながこぞって窓を塞ぎ始めたんです。
ですがどうですか?窓が塞がれた家って。
気持ちも暗くなりそうだし、健康にも悪そうですよね。
案の定、健康を害する人が続出してしまったんです。
そんなこともあり窓税は廃止されたのですが、今でも窓が塞がれた建物は残っているようです。
ヒゲ税
ロシアで1700年あたりに導入されていた税金です。
昔のロシア人というとコサック帽(正しくはウシャンカと言うそうです)にひげというイメージがないですか?
こんな感じ
以前のロシアではひげを生やしている状態が普通だったんです。
ロシアの寒さや宗教上の理由もあったと言われています。
しかしピョートル大帝が天皇の位についた際、「ヨーロッパをお手本とした社会を目指す」ということもあり「ひげは品が無い」といって人々のひげを剃らせました。
しかし全員が納得するわけではなく、宗教上の理由でひげを剃りたくない人ももちろんいます。
そういった人達に当時は高額な年間50ルーブルの税金を課し、証明書を持ち歩かせたそうです。
この証明書というのが「髭コイン」といって、サンクトペテルブルクのエルミタージュ博物館で展示されているとのことです。
光るおもちゃ税
アメリカのウエストバージニア州で導入されている税金です。
火花が出たり激しく発光したりするおもちゃの銃、花火など、人を驚かすようなおもちゃには課税されるようです。
アメリカでは一般の人が銃を持つことも珍しくないですよね。
故に凶悪な犯罪が頻繁に起こります。
そこで犯罪率の低下を目的とするため光るおもちゃには課税した・・・
とのことですが僕には関係性がいまいちわかりません。
光るおもちゃに課税して犯罪率が下がるって・・
何か心理的な要素とかがあるんですかね?
でも実際には導入後のウエストバージニア州では犯罪率が下がり、犯罪被害者数が少ないことで有名な州にもなっているんです。
学位税
オーストラリアで導入されている税金で、学校を卒業した学位により課税されます。
要は最終学歴が大学卒業だとかかります。
一生懸命勉強して大学を卒業したのにそれに税金がかかるの?と不公平に思いがちですが、そうではなくて実はオーストラリアの教育システムが関係しているんです。
オーストラリアの大学では国が負担してくれる学費がありますが、それ以外の個人で負担する分は原則卒業後に払うことになっています。
日本でいう奨学金制度がデフォルトのような感じでしょうか。
なので他国では学位税と呼ばれることが多いですがオーストラリアでは税金としての扱いはされていません。
大卒だからといって全員が払うわけではなく、卒業後の所得によって3%~5%の追加額を払ったり、所得の少ない場合は無税の人もいたりします。
大学を卒業していると所得が高くなる傾向にあるので、考え方は所得税に似ていますね。
ポルノ税
2008年イタリアでベルルスコーニ首相により導入されました。
新聞や雑誌、ビデオ、映画などの様々なメディアでポルノ関連と認められると25%の税率で課税されます。
イタリアのポルノ市場は年間1200億円規模で、税収は300億円ほどと言われています。
この税金は、ただ需要があるところに税金をかけようと言うわけではないみたいです。
当時のイタリアは多額の赤字を抱えていたこともあり、この経済危機を乗り切ろうという思いもありポルノ税の導入に踏み切りました。
結果、成功した税金制度ですね。
僕の勝手な予想ですが、反対する人もたくさんいたと思います。
けど、この政策に必死になって反対の声を挙げるってあまりできなくないですか?
ちょっとズルいなぁなんて思ったりします。
ちなみに日本のポルノ市場の売り上げは5兆を超え、アダルトサイトの市場規模は800億円だそうです。
そして日本人がポルノ関係にかけるお金は世界第2位。
もし日本でも導入されたらかなりの税収になりそうですね。
しかも人間の欲求にあたる部分ですからね。
エロの産業は絶対無くならないし、需要も必ずあるし、技術もどんどん進化していってます。
人間には絶対に必要な言わば消費税みたいなものですね。
個人的には賛成もしないし反対もしないし「どっちでもいい」と、一応言っておきます。
渋滞税
2003年からロンドンで導入されている税金です。
ロンドン市内では渋滞が激しく、平均速度が時速15キロと言われていて、これを緩和するために導入されました。
日本の有料道路みたいな感じで、対象の場所、対象の時間帯に車を乗り入れるときに約1000円支払うというものです。
しかしその場で料金を支払うのではなく、事前に指定のお店で支払う方法や街に設置された機械で払う方法、インターネットで振り込みなどがあります。
他にも細かいルールがあり、
・渋滞しない時間帯
・土日、年末年始
・自動二輪
・ハイブリットや電気自動車
・緊急車両
・バスやタクシー
などは料金はかからないそうです。
これによりロンドンでは渋滞が30%ほど緩和されたというデータもあり、かなりの効果があったようです。
しかし住民からは税金を払っている割に公共の交通が改善されていないという声もあり、どこに税金を使っているのか疑問に思っている人たちも多くいるみたいですね。
僕の住んでいるところでは渋滞にはほぼほぼ遭遇しないのですが、都心部ではすごいですよね。
たまに車で行ったりしますが、平日なのに全然動かなくて中々苦痛です。
日本では既に払っている税金でインフラを整えているとのことですが、常に渋滞が発生している場所に少額の税金をかけることによって緩和されるのであれば、個人的にはこの税金はありなのかなぁって思います。
まとめ
今回は
・空気税
・窓税
・ヒゲ税
・光るおもちゃ税
・学位税
・ポルノ税
・渋滞税
上手くはいきませんでしたが、独身税、空気税は衝撃的でしたね。
今では当たり前のように払っている税金も実は不思議な税金なのかもしれませんね。
消費税も以前は無かったし、相続税もよく考えてみるととんでもない税金だと思うんです。
自分が亡くなったときに財産を親族に移すだけで税金がかかるんですよ。
そして税率もものすごく高い。
じゃあ生きてるときに渡してしまえば?
そうしたら今度は贈与税。
もう封じ手合戦ですね。
と、文句を言ってても仕方ないし、今の日本がいきなりプラスに転じることは無いと思うので、自助努力は必須だと思います。
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